月ごとのアーカイブ: 6月 2017

sideway song tour 2017 沖縄 その2

その1はコチラから。

今年2月の熊本城マラソンで初マラソンを完走したのですが、その練習をはじめた昨年10月以降、出張の時はランニングシューズを持参して旅ランをするようにしています。沖縄二日目の5月10日(水)の朝は小雨が降ったり止んだりの生憎の天気でしたが、せっかく靴まで持ってきていたので少しだけ走りました。若狭海浜公園内を2週くらいして、ホテルまでの往復5.5kmの短いコース。6時になったばかりなのに、もう泳いでいるおじいさんが何人もいたり、公園内でラジオ体操している人たちがいたり。観光やレコード屋巡りでは味わえない地元の姿がほんのちょっとだけでも見れるから旅ラン楽しいです。
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この日は那覇から沖縄市へバスで移動。お目当ての「中古CD・レコード店 ’69」のオープン前に着いてしまい、いつ食べれるかもわからないので、先に昼ごはんを食べようと思い、お店を探しました。しかしこの商店街はオープンが遅く(すでに廃業されたお店も多かったのかも)、あまり飲食店がありません。しょうがなくやっと見つけた、かなり古びたたこ焼き屋さんに入りました。先におじさんがひとりソーキそばを食べていたので、あまり期待せずに同じものを頼みました。が、これが期待を裏切る、驚きの美味しさ。細めの丸麺にカツオをベースにした薄い出汁がよく絡みます。ソーキも脂っこくなくて、ペロリとたいらげました。半分くらい食べたところで島唐辛子を泡盛につけたコーレーグースを足すと味が変化してまた美味いんですよね。
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「ソーキそば」「たこ焼き」などののぼりは立っていたけど、お店の名前がわからなかったので「とても美味しかったです。ところでお店の名前はなんというのですか?」と尋ねたらおばあちゃんが「たこ焼き(屋)ちゃんぽん」と教えてくれました。店名はややこしいけど味はとても美味しいです。ここもまた行きたい。

で、いよいよ「中古CD・レコード店 ’69」で、レコード掘りのスタート。まだこの日オープンしてすぐなのにCDの買取が入っていて、地元の人とのやり取りが見れてちょっと嬉しい。こちらのお店もオールジャンルですが、ヒップホップやソウルなど黒っぽい音に強い印象を受けました。また和モノの7インチが充実していて、なによりコメントにユーモアが効いているのが楽しい。店主に許可をもらいましたので、いくつかご紹介します。掘りながら思わず笑っちゃいました。
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オモロいコメント意外にもちょっとした一言で曲を的確にあらわしてあり、いろいろと聴いてみたくなりました。「試聴は何枚できますか?」と尋ねたら「今はお客さんもいらっしゃらないので、ゆっくりいいですよ」と優しくおっしゃってくれました。はじめて使うターンテーブルだったので、試聴にちょっと手こずりましたが、コメントでプッシュしてあったのはかなり当たりで、ほとんど購入しました。中でもCD移行期の89年前後のアナログは珍しいものもお安く購入でき嬉しかった。かなりタイミングがよかったようです。もうずいぶん時間がたつので売れてしまったものばかりですが、ジャケをいくつか紹介しておきます。
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こちらのお店ははじめてでしたが、もう長いことお互いツイッターでフォローし合っていたので、お会計の時にご挨拶すると、喜んでくれ、いろいろ沖縄の情報を教えてくれました。また店内に飾ってあるスチャダラパーのサインも快く撮影させてくださり、やっぱスチャダラパーのファンはハートいいもの、と親近感が湧きました。こちらも大変おすすめのレコード屋さんです。沖縄市内にお越しの際は是非お立ち寄りください。
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よいレコード買えたし、次の「CD屋」(という名前のレコード屋さん)へ行こうと思ったところで、事件というかとんだ凡ミスを犯してしまいます。

買付の時は、昔のように細かく下調べもせずに、スマホで調べながら移動することが多いです。乗り換えアプリで調べると、沖縄市の「CD・レコード店 ’69」から中城村の「CD屋」へは、バスで移動でき、一度だけ乗り換えがありました。その乗り換えでは、本当は停まったバス停の向かいから乗らなければならないところを、そのまま次のバスに乗って逆方向に行ってしまいました。しかも寝てたもんで全然気が付かずに、終点のバスセンターに着いてここどこ??と。降車するときに運転手さんに、間違えて乗って、伊集というバス停に行きたいのだけど、ここのバスセンターで待ってれば大丈夫?と尋ねると、「そこで待ってればいいですよ。間違った分のお代はいりません」と言ってくれました。ただでさえバス移動には1時間近くかかるはずだったのに、その上に間違ってしまい、かなりのタイムロスで泣きそうでしたが、人の優しさが沁みました。

で、予定よりもずいぶん押してCD屋に到着。この可愛い看板を見た時は、今度はうれし涙が出そうになりました。
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5年半前にお邪魔した時から移転されていて、こちらの新店舗ははじめて。古着屋さんの真ん中にレコード屋さんがあるような、変わったつくりですが、レコードも古着も楽しめてこれは嬉しい(まあ、僕は凡ミスのおかげで古着を見る時間はありませんでしたが)。
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こちらも相変わらずのよい品揃え。特に7インチが大量に、縦置き、横置きでいたるところに置いてありました。またインディー系、クラブ系のレコードもあり、ちょうど半額セールコーナーも作ってあって、まだまだよいのが残っていました。数は少ないけど新譜も扱ってあり、独自のセレクトがかっこよかったです。

常連さんが試聴を終えるのを待ってから、僕も気になるのをいくつか聴かせてもらいました。値段も安く、内容もよいのが多く、こちらでは7インチを中心に50枚近く購入。こちらも前回お邪魔してからツイッターでお互いフォローしていたので、お会計の時に名乗ると再会を喜んでくれ、ミックスCDなどオマケもくださいました。
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今回はインディーものが少なかったので、いくつか買えて嬉しかった。しかもレアいやつ。
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コメントに「イントロDaft Punkぽい」と書いてあったので試聴したらモロDigital Loveでびっくり。I Love You More→Carry Love→Digital LoveというLoveの三段活用。Daft Punkより18年早くGeorge Dukeをサンプリングしたゴダイゴはエラい!
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ずいぶん年季が入りましたが、看板ムスコのFlat Eric君にも再会でき嬉しかったです。

それでは沖縄レコード掘りの結論。ほとんどの方が観光メイン、レコード屋さんちょっとのぞければ、という感じだと思いますので、行かれる場所によってMusic Punch Records、「中古CD・レコード店 ’69」、「CD屋」の3店のうちの近くのお店に寄ってもらえればな、と。きっとよかレコードに出会えると思います。

たくさんレコード買って、美味しいもの食べて大団円、いい夏だったよね ピースワンラブ ウィアウト!って終われないよ!それ どんな感性?(byサマージャム2020)ってことで、そうです、家に帰るまでが旅であり、本当はここからが大変だったんです。「CD屋」でのレコード掘りに熱中してしまい、お店を出て時計を見ると、どう考えても飛行機の時間ギリギリ。乗り換えアプリを見ると、なんと最寄りのバス停まで徒歩30分。このルートが一番早く、これ乗り過ごしたらもう今日中には帰れません。すでに真夏の暑さの沖縄、ほぼ7インチとはいえ背中には150枚ほどのレコード、しかもよりによってビーサンだし。泣きながらバス停まで歩きなんとかバスに乗ったけど、そのあとは渋滞で、ホント焦りました。モノレールに乗り換え、搭乗手続き終了10分前に何とか空港につきました。背中に冷や汗べっちょりでしたよ。マジでなんでもスマホに頼り過ぎるのも考えもんだぜ、と現代社会に警鐘を鳴らして、今回の旅日記〆させていただきます。

あ、空港では全然時間なかったけど、慌ててコーレーグースの大瓶だけは自分へのお土産に買いました。それとpeachのターミナルは那覇空港のメインのターミナルから隔離されていてレイブ会場のようなつくりで、そこのソーキそば屋さんも気になりました。余談ですが。

sideway song tour 2017 沖縄 その1

もう一月前のことになりますが、GW明けの5月9日(火)、10日(水)と弾丸沖縄買付ツアーに行ってきました。peachの航空券があまりに安かったので(なんと往復8000円!)計画したのですが、旅の前に情報を仕入れようと「沖縄 レコード屋」でググると、僕が5年半前に書いた旧ブログ(その1その2その3)が沖縄ポータルサイトの次に表示されるではありませんか。旧ブログでのアクセス数も沖縄編がトップで、のぞいてもらっているみなさんに、古い情報では申し訳ないという、妙な使命感にかられ、最新情報をお伝えしようと思います。

9日(火)、peachは熊本で運行しておらず、福岡からの出発なので、8時前に高速バスで福岡空港へ。10時半福岡空港発12:15那覇空港着。今回は家族もいなくて、一人だったので、レンタカーを借りずに公共の交通機関を使って移動。まずは沖縄都市モノレール「ゆいレール」の二日乗車券1200円を購入。suicaなどの交通系ICカードは使えないので、ご注意を。

まずは那覇空港駅からひと駅のマンガ倉庫那覇店へ。ここは前回結構抜けたので期待していたけど、ほぼなにも見あたらず。7インチを1枚だけ購入。数は多いけど、沖縄のほかのレコード屋さんよりかなり高い印象でした。24時間営業なので、夜眠れないときや、早起きし過ぎた時でいいかもしれません。
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本格的に掘りはじめる前に腹ごしらえと14時半頃に見栄橋駅の元祖大東ソバへ。ここは前回たまたま入って気に入ったところ。不揃いの太目の麺も美味しいのですが、豚とカツオの旨味が出た出汁が最高過ぎます。風呂の蛇口から出てきたら、ゆっくり浸かって疲れをとりたいくらいの優しい味です。前回食べなかったカジキのズケを握った大東寿司も甘めのタレで、食べたあとに飲むそばの出汁との相性抜群でした。
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満腹になり、さて仕事、と下調べしておいた、高良レコード店に向かったのですが、なんとレコード店とは名ばかりの楽器店でした。スタッフの方に話を聞くと、以前は売ってあったんですけど、とのこと。いや、マジだまされました。高良レコード店には宝はないからご注意ください。
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気を取り直して、Music Punch Recordsへ。こちらはレコード、CDともに扱っている、よい意味で町のレコード屋さんという雰囲気。ドアを開けてすぐのところに古着や雑貨なども売ってありました。
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ジャンルも幅広くたくさんのレコードが置いてありましたが、インディーものは少な目でちょっと残念でした。しかし、和モノは数も多く、お値段も安いので、そこを狙うことにしました。びっくりしたのが、あまり他のレコード屋さんでは見たことのない「教材」という7インチの仕切り板があったこと。おそらく100枚くらい在庫も置いてありました。教材ものとは、幼稚園や小学校の体育や運動会のダンスや行進などで使われるレコードですが、こんなにまとめて見かけることはなかなかありません。とりあえず、タイトルで気になるの(音頭やサンバなどの文字が入ってるやつ)をピックアップしておいて、あとで試聴させてもらうことにしました。

こちらの試聴方は当店とおなじく、お店の方がレコードをプレイしてくれるスタイルで、僕が1曲につき1~2秒くらい聴いたら「それ、いただきます」「すみません、それはキャンセルで」と言っていたら、「DJをされてるのですか?」と尋ねられました。正直に「実はレコード屋で熊本から来ました」と答えると、歓迎してくれ、いろいろと沖縄のレコード屋さんの情報も教えてくれました。試聴させてもらったものも当たりが多く、20枚ほど購入しました。すでに売れてしまったものもありますが、いくつかジャケットをご紹介しておきます。
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お会計をする時に、レジ横のチラシが目に入り、それは沖縄のレコードマップでした。
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「これいただいてもいいですか」と尋ねると「どうぞどうぞ」と言ってくれました。沖縄のレコード屋さんで協力して作られているんだな、と思いもう一度よくよく見てみると、地図に「現在地」の文字があります。ということは、Music Punch Recordsさんが個人的に他のお店のことも載せて作られているのです。しかも、レコード屋のみならず、古本屋やリサイクル店などでレコードの取り扱いがあるところまで網羅してあります。この愛情と情熱、本当に頭が下がります。このマップのおかげで、この後はかなり効率的にまわることができました。沖縄でレコード掘りするときはまずはじめにこちらに行かれて、このマップをゲットすることをおすすめします。もちろん買い物するのも忘れないでくださいね。

次はマップ片手に「ロマン書房」へ。こちらは前回もおじゃましたお店ですが、前回来たときよりも外壁の政治的張り紙の主張が激しくなっており、沖縄ならではの問題もあるのだろう、と思いつつも若干怯んでしまいました。
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また店内奥にチラリとのぞくアダルトコーナーでは眼を血走らせたおじさん二人が熱心にディグっていて、近づきがたいオーラを放っていました。枚数は10枚ほどとあまり多くはありませんでしたが、特価コーナーにインディーものがいくつかあって助かりました。
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次は先ほどのマップに載っていた、「しんあいでんき」というアンティーク店へ。ちょっと遠くて頑張って歩いたのですが、お店の人に「レコードありますか?」と尋ねたら、昭和の俳優みたいに男前のおじさんから「親父がいないので見せれない」と言われてしまいました。気になったけど、スケジュール的に次の日は行けそうになかったので、あきらめました。アンティーク品はかなり古いものばかりのようで、レコードもSP盤とかかもしれませんが、もし行かれる方がいたら前もってアポイントを取っておいたほうがいいかもしれません。
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またかなり歩いて古本屋の「テルヤ商店」へ。こちらは、古本はきれいに陳列してあるのに、レコードに関してはハードオフのジャンク品が棚卸後に見えるくらいのド・ジャンク具合。そして数だけは超大量にあります。足元に雑に置いてある山を頑張って掘り、1/4くらい進んでも何も出ず、腰を伸ばそうと立ち上がって目に入ってきたのが、7インチの山の上に置いてある少女隊「君の瞳に恋してる」7インチでした。
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人気盤が目の前に、灯台もと暗し、とはこのことだ、と手にとるも盤は入っていませんでした。きっとこれは先達からの「これ以上掘っても何も出ないぞ」とのメッセージだと思い、お店を後にし、真っ黒になった指を洗うためにコンビニにを探しました。

2店舗続けてハズしたので、心が折れたうえに、荷物も重たいので、県庁前駅のビジネスホテルにチェックインすることに。身軽になりもうひと頑張りと、こちらももらったマップで知った国際通り裏手の「てぃだ ボーイず」へ。こちらは中野ブロードウェイをぎゅっ、と一店舗の中に詰め込んでしまったような、マニアックなお店。こちらで詳しく紹介されているので、興味のある方はどうぞ。
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レコードは結構な量があり、8割方が歌謡曲でした。7インチボックスがたくさん積んであるのですが、そのボックスの高さが7インチよりも低く、レコードが飛び出ているのに、その上にボックスを重ねているという杉ちゃん以来のワイルドさ。盤反りするじゃん、と心の中で叫びながらも、恐る恐る「この下のレコードも見ていいですか?」と尋ね見せてもらいました。時間がかかったわりには、10枚ちょっとと打率は高くありませんでしたが、内容はよいのが多くてよかったです。
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外に出たら真っ暗になっていたので、本日の仕事はここまで、と前回来てから絶対にもう一度と決めていた「居酒屋野郎りょう次」で打ち上げ。刺し盛り、とうもろこしの天ぷらとビール。そしてゴーヤチャンプル。一人なのでとハーフサイズにしてくれる気遣いも嬉しい。本場で食べるゴーヤチャンプル、何でこんなに美味しいんだろう。カウンターの隣に座った年配のご夫婦から、泡盛の水割りのつくり方を教えてもらいながら、島らっきょうをポリポリ。最高によか晩でした。
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でも飲み足りず、ホテルでひとり二次会を。
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その2へ続く。