月ごとのアーカイブ: 2月 2019

このサイテーな世界の終わり

一年くらいNETFLIXのマイリストに入れてていつか見ようと思ってたんだけど、ツイッターでナオヒロック氏が「なんとなく観はじめて面白くて最後泣いてしまった。」つぶやいていたので、「このサイテーな世界の終わり」をしばらく前に一気見しました。
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大まかな筋はサイコパスの少年ジェームスと人生の全てを変えたい少女アリッサが衝動的に二人旅に出る、というもの。繊細すぎてまわりと打ち解けることのできない二人が少しずつ心を通わせていくものの、いろいろと深刻な事件を起こしてバッドな方向にブレイキングしていくというイギリスらしい青春ブラックコメディー。主人公の倍以上の年齢のおじさんになっても、繊細さと反骨精神を絶妙にブレンドしたネオアコ的な世界観は大好物です。

現在公開しているシーズン1は全8話で、しかも1話がテレ東の深夜ドラマよりも短い20分前後というコンパクトさも良いですね。1話が40分前後という海外ドラマのスピード感に慣れると、なかなか長い映画を見る気にならず、NETFLIXやAMAZON PRIMEの配信で見ようと思っても2時間越えると、長いなまた今度、となってしまいます。40分4話とかは平気で見るのに。だから「このサイテーな世界の終わり」の1話20分でちゃんとストーリーを進めて山場も作るというのにはかなりハマりました。シーズン2の配信が待ち遠しいです。

あとサントラはBLURのグレアム・コクソンが出がけていて、乾いたサウンドが映像にマッチしていますし、その他の劇中歌もたくさんよい曲が使われているので、音楽好きなみなさんにもおすすめです。

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僕の好きなランニングコース 2

昨日は年に一度の熊本城マラソンでした。僕も走りはじめたのは2017年の大会へのエントリーがきっかけだったので、今年も参加したかったのですが、残念ながら落選し、仲間の応援に行ってきました。僕らは幽霊部員3名を含む9名でRUNNING PUNXというチームを組んでいます。すでに何度かフルマラソンを完走したことのある経験者にアドバイスをもらううちに自然発生的にこのチームになりました。平均年齢40前後のおじさんたちばかりで、チームランと飲み会の比率はほぼ同じくらいの緩い集まりですが、楽しく情報交換をしております。老若男女、実力は問わず人柄重視で新メンバーも募集しておりますので、初心者のみなさん(と偉そうに言うほど僕も速くはありませんが)もお気軽にご参加ください。

今回は4名が当選しましたが、暑すぎず寒すぎずの気候も味方したのか全員が完走し、自己ベストを更新したり、初サブ4を達成したりととても良い走りを見せてくれました。僕はスタート地点と熊本城ゴール前の最後の難関の坂の途中で応援し、とても楽しい大会になりました。スタート地点はさすがに仲間を見つけることができませんでしたが、自分は走らないのにランナーの緊張感が伝わりドキドキしました。ゴール前の坂ではみんなに声をかけ、よい笑顔を見ることができ嬉しかったです。

そして参加した多くのランナーの走りに刺激を受け、今朝は早速熊本城まで朝ランをしてきました。熊本城は好きなコースのひとつです。京町側から熊本城を目指し、熊本城マラソンの最後の難関を逆に下り、そこから新町や白河沿いなどコンディションによって距離を増やせるのもよいですし、何より二の丸公園から見える熊本城の姿が素晴らしいです。熊本地震後の修復の進み具合もわかるし、お城の後ろに日の出が見えるのも朝から贅沢した気持ちになれます。僕に限らず、ランニングをされている方は一度は走りに行ったことのある聖地と言えるでしょう。

もちろん今日は熊本城マラソンのコースと同じ、新町の子ども文化会館側から坂を上るコースを走りました。
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マラソンコースの41km過ぎから、写真のように上り坂がずっと続くので、普段普通に走ってもなかなか辛いのですが、40km走ったあとは「こんな坂道考えたやつはバカじゃないの?」と悪態をつきたくなるくらいです。でも、確かに平坦なところに城があったらすぐ落城されるからしょうがないですね。本当に辛いのですが、完走後はそれを上回る感動があります。これはやっぱり走った人にしかわからないと思います。来年こそはまた走りたいので、2020年大会に備えて、ランニングのトレーニングと並行して、クジ運を高めるトレーニングもしておこうと思っているところです。

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「大人計画」ができるまで

活字で笑うのが好きになったのは、中島らもの明るい悩み相談室からで、10代のうちにそれまでに出ていたエッセイや小説は全て読んでしまった。いま、中島らも、というのはヒップじゃないのかもしれないけど、関西のアンダーグラウンドシーンのことや町田康やいしいしんじなど書籍を通して知ったことも数多くあり、影響を受けました。

その次がリリー・フランキーとナンシー関。リリー・フランキーはロック雑誌のクロスビートのコラム連載で知った。どぎつい下ネタばかりなのに、どこか上品な感じで大好きになった。いまでは名俳優として大活躍していますが、大ヒットした「東京タワー」(僕は未読ですが)以降はコラムはほぼ書いていないようで残念です。

ナンシー関はホットドッグプレスやチェックメイトなどのファッション誌で知って、まわりの友達とも「今月号読んだ?」といつも話題になっていました。ご存知のように39歳という若さで亡くなってしまいましが、キレまくったテレビ批評まだまだ読みたかったです。以前ツイッターで、「今ならナンシー関は松本信者乙で終わってた」、というつぶやきを見て、それは乱暴すぎるとは思ったけれど、若かりしスチャダラパーが景山民夫にラップしたように松本人志に対して「あんた誰?」と言えたかどうかは見てみたかったです。

松尾スズキはロッキングオン社の音楽雑誌BUZZの連載「同姓同名小説」で知りました。いまでも疎いが97年当時は演劇のことなど全く知らず、こんなに面白いコラムがあるのかと衝撃を受けました。そのあとしばらくしてからTV BROSでの連載もはじまり、かれこれ20数年の付き合いになりました。コラムや小説もたくさん読んだし、松尾スズキに限らず大人計画の役者を映画やテレビで見かけると、何故か安心します。
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今月号のTV BROSで松尾スズキ+大人計画30周年特集が組まれていて、その記事と、同誌で紹介されていた『「大人計画」ができるまで』を読みました。宮藤官九郎や阿部サダオをはじめとしたスター集団がいかにして集まっていったかが語られていて、大河ドラマの「いだてん」も全くの部外者ながら感慨深い気持ちで見るようになりました。これだけの密度と詳細さなのでしょうがないとは思いますが、ビートたけしの「たけしくん、ハイ!」や「コマネチ」と同じ聞き書きだったので、松尾スズキ本人の文章で読めなかったのはちょっと残念でした。

地方にいるとなかなか舞台を見る機会はなく、唯一見れたのは12年の一人舞台「生きちゃってどうすんだ」の福岡公演だけです。実はこの1週間前に親父が亡くなったばかりで、人はどんなに悲しくて打ちひしがれている状態でも笑うことができることを知り、救われました。その時のことも思い出し、「笑いが好きなんだよね。人が笑ってるときというか、笑わせてるときって、少なくとも、そのときだけは、しらふでなく、いられるから。」という言葉が一番グっときました。

3月に30祭凱旋 大人計画大博覧会in福岡があり、その一環として松尾スズキのトーク「なんとかここまで起訴されず」が開催されます。すでにチケットは完売。かなり後ろの席ではありますが、なんとか押さえることができました。星野源ヤフオクドームのリベンジができ嬉しく思っています。

また最後に余談ですが、この本を読んで大人計画とスチャダラパーのLITTLE BIRD NATIONの共通点を多く見つけました。スチャダラパーはCDデビューの90年をSINCEにしていますが、結成88年なのでほぼ同期であること。大人計画、LITTLE BIRDとも天才集団で所属しているみんなは多方面で大活躍していること。でも集まると昔と同じ距離感で活動ができること。そしてどちらも宮沢章夫から多大な影響を受けていることなどなど。松尾スズキが大人計画を立ち上げた時は25歳でそれでも十分早いのですが、LITTLE BIRD NATIONを立ち上げた時にSHINCOはわずか20歳。本当に早熟の天才だな、と改めて。

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Twee Female Rap

DJみそしるとMCごはんとLYRICAL SCHOOL(リリカル・スクール)が好きなことは以前「ピーナッツ・レコードの穴」でも書きましたが、そのリリスクの新曲TOKYO BURNINGが早くも19年のベストシングルか!?というくらい気に入っていてyoutubeと7インチを繰り返し、エンドレスでリピートしています。

このTOKYO BURNING、詞曲プロデュースが先日入荷したHAPPFATの7インチにも参加していたRIP SLYMEのPESでその才能に改めて驚いています。本家リップはアレでアレですが、本当もったいないな~、と。

まあそれは置いておいて、このリリスク効果もありこのあたりのフィメールラップを掘っているのですが、僕の好きなインディーミュージックとの共通点を感じますます好きになっています。インディーポップやアノラックと呼ばれる音楽の何が好きかというと、ギター買って仲間とバンド組んで音を出してみる、というとりあえず楽しそうだから何かやってみようというDIY精神と、凄いテクニックはなくてもそれをセンスが上回ることもある、というのを表現していたところ。そこでTALULAH GOSH~HEAVENLYのアメリア・フレッチャーやGO SAILOR~SOFTIESのローズ・メルバーグが21世紀の日本に生まれていたら、きっとインディーポップではなくてヒップホップをやっていて、こんな曲をつくっていただろうな、という妄想でプレイリストを作りました。普段ヒップホップを聴かないインディー・リスナーにも楽しんでもらえると思いますので、よろしければ。

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読み聞かせ

学校行事のビブリオバトルで小2のムスコが低学年代表になり、お昼の校内放送で発表するそうで、親バカな僕は大変喜んでいます。親戚からもらったamazonギフトカード(図書券じゃないのが21世紀的ですが)で自分で選んで購入した「家なき子」をおすすめしたと言ってました。
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0歳のまだ全然しゃべれない頃から自分が家にいる時は毎晩寝る前に絵本の読み聞かせをしているので、本好きになってくれて嬉しいです。まだ小さい頃は胡坐をかいたヒザの上にちょこんと座って、そこを特等席と呼び、簡単な絵本を読んでいました。僕が子どもの時に大好きだった「おさるのジョージ」や「きかんしゃやえもん」をまた自分の子どもと一緒に読めるのは凄いことだよな、と思いながら。今は、ちょっと長めの本を数日にわけて読んだり、スヌーピーやドラえもんのコミックを一緒に見たりしています。字を読めるようになってからは自分でも学校の図書館を利用して、前述の「家なき子」などの10歳までに読みたい世界名作シリーズやアルセーヌ・ルパンやシャーロック・ホームズなんかを読んでいるみたいです。

僕も通った小学校では週に一回、保護者や地元のみなさんがそれぞれの教室に入って絵本を読む「読み聞かせ」の時間があります。僕も今年から参加することになり、年末に何度が見学に行きました。6年生だと、さすがに真面目に聞いてないだろうと思っていたのですが、黒板の前に体育座りで集まって真剣に聞いている姿にちょっとびっくりしました。低学年から「読み聞かせ」の時間をつくってくれているから、本を読むのが身近なものになっているんでしょう。子どもの時に本を読まず、大人になって急に読めと言われても難しいし、なかなか良い取り組みだなと思います。

正直国語の成績とかはどうでもいいんですけど、これまでの人生の中でも本に助けられたという経験が数えきれないほどあるので、このまま本を読むのが習慣化すればいいな、と思います。おそらくあと数年たてば親父と一緒に読むのがいやになるだろうから、それまでは一緒に楽しみたいものです。

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